TAKEFU開発10年を振り返って

 1999年、以前から没頭していた竹の有効活用研究において、ひとつの答えが導き出されました。それは繊維としての活用です。私は、特許庁や国会図書館で竹の繊維についての資料を探しましたが、あったのは物理的製法で作られる糸のみでした。その後、繊維化についてさまざまな研究を行っていましたが、レーヨンに似た製法で作る竹100%原料の繊維を開発するに到りました。
 この繊維を公的機関おいて分析、テストしたところ、試験官が驚くほどの抗菌力が証明されました。この抗菌力が、繊維製品の常識を変えると確信しました。しかし、その価格は当初は綿の約5〜6倍、竹の繊維の物性解明においても手探り状態というものでした。ガーゼ、タオル、靴下、シャツ、パンツ…など、次々に製品化したいものはあるのですが、竹の繊維は非常に手強いものでした。糸切れ、ほつれ、歩留まりの悪さなど、竹の繊維100%で作る難しさに直面し続けました。靴下などは、ある満足できる試作品を仕上げるのに数年を要したほどでした。2001年には、初の竹繊維100%製品のボディタオルを発売できました。当初の製品はこれ1つというものでしたが、製品化への研究はますます熱を帯びていました。
 2003年、数社のメーカーグループが、竹の繊維の特性に着目し製品化を行いました。しかし、これは綿やポリエステルまたウールとの混紡繊維で、海外での極端な例では竹繊維5%の混紡で抗菌力を謳う物もありました。私の研究では、竹の抗菌力を十分に発揮させるには混率50%以上が必要と判断していましたので、竹繊維に対する信用がなくなることを心配しました。さらに、このグループは竹の繊維製品の独占を図るため特許を取得。繊維系専門紙やインターネットでのアナウンスをしたため、多くの大学、公的研究機関、メーカーで行われていた竹の繊維の研究、商品化が頓挫してしまったのです。
 私は、竹の繊維は万人の物であり、誰かが独占することは許されるものではないという信念からこの特許を詳細に検討、その結果特許に値しないものだと確信し、特許庁にその旨訴え、数年の論争・裁判ののちこの特許の全項目取り下げの判断を知的財産高等裁判所から得ました。この数年の空白と特許の開放が何をもたらすのかはわかりません。
 TAKEFU製品は、TAKEFUを愛してくださる方々のお力で、少しづつですが着実に充実してきました。TAKEFU開発10周年を目前にし、私はこれまでの開発姿勢が間違いでないことを確信。TAKEFU(竹原料100%で作られた繊維)のパイオニアとして、愚直に真摯に竹の持つ素晴らしさをより多くの皆様にお伝えしてまいる所存です。
 これからのTAKEFU、ナファ生活研究所に、これまで以上のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。

株式会社ナファ生活研究所
代表取締役 相田雅彦
竹資源のトータルな有効活用を目指して
 竹は、ご存知のように非常に成長が早く、再生可能な資源として高度利用の可能性が高いと言われていますが、木材のように計画的に育成されているのはまれで、竹林の荒廃が進んでいるのが現状です。近年になって、竹の高度利用の研究が着手され、竹の持つ抗菌機能とその利用技術。竹の95%を構成しているセルロースとリグニン(有害物質の排出作用や抗ガン作用などが知られています)の有効利用。また、肥料化や飼料化、土壌改良などさまざまな研究が進められています。
 ナファ生活研究所では、1999年のTAKEFU開発時から考えてきた、竹資源有効活用の象徴として、竹曼陀羅を考案。それは、竹の神様が、その心をもって竹を創造。その竹は、さまざまな分野で有効活用されなければならないというものです。現在、ナファ生活研究所では、竹の繊維、竹の糸、竹の布(TAKEFU)という繊維分野においては、特許申請及びTAKEFUの商標を取得。さらなる製品開発を進めるとともに、各方面との連携のもと、竹資源のトータルな有効活用を追求しています。