医療ガーゼ登録へのあゆみ

 

竹の繊維を産みだし、類い稀なる抗菌力が明らかとなった日、その果たすべき役割を夜通し考えながら私は、乗り越えなければならない課題の余りの大きさにめまいがしそうでした。

1997年に会社を設立してから、「竹の繊維で糸を紡ぎ、生地にして、傷にそっと寄り添うガーゼをつくる。そしていつか、医療の現場に届けたい。」その想い一筋に、竹繊維100%のもの作りにこだわり、素材開発、技術革新に大半の月日を捧げ、竹の育成、医療用ガーゼの国内生産化へと、幾多の壁を乗り越えながら粛々と歩みを進めてまいりました。

その間、TAKEFUは、木綿や絹ですら負担の重いアトピーや敏感肌の方でも安心して使っていただける様々な製品に姿を変え、多くの方々にご愛用いただいてきましたが、今後は、いよいよ医療現場へ向けて羽ばたいてゆきます。

「人が最も傷み苦しむその時に、そっと傷に寄り添い、ただ快癒を祈る一枚のガーゼ」

『守布(まもりぬの)』と名づけられた国産のTAKEFUガーゼが、原点でもあるこの念願の使命を果たしてゆくことになります。永遠に進化し続けるTAKEFUにとって記念碑となる、2つの特許が取得できました。

・2009年「竹から作る抗菌性を有するセルロース繊維の製造方法」
・2011年「殺菌竹繊維ガーゼ」

そして、今後も竹の育成による地球環境浄化への貢献、竹の総合利用によるさらなる人類への貢献が、竹の育成から製品の製造及び販売そして購入し使ってくださるユーザーの皆様、その竹布に関わるすべての皆様の喜びとなるよう、常に良心を全ての判断基準とし、妥協のないもの作りで歩み続けてゆきたいと思います。

 ● 竹のゆく道、医療の現場へ

1999年、竹から繊維を作ることを発想した私たちは、竹繊維の資料を特許庁や国会図書館で探しましたが、まったく見つけることはできませんでした。何故だろう、と奇異な思いにとらわれながら竹繊維の役割を考え続けました。

そして、試作したボディタオルが、浴室に放置してもカビが生えなかったという現象に着目し、2001年の夏、財団法人日本食品分析センターにて抗菌テストを行いました。その結果は、4万個のMRSA(院内感染菌)がなんと完全に死滅してしまうという驚くべきものでした。

 ● 一枚のガーゼへの想い

抗菌テストの驚くべきこの結果を受け、私たちは、竹の繊維は医療・介護の分野で生かされるべきものだ、という確信に至りました。従来、繊維製品に抗菌性を持たせるために、各メーカーは抗菌剤の後添加によりその機能を持たせていました。

竹由来の繊維とはいえ、精錬した繊維に菌を死滅させてしまう力が残っているなどということは誰も考えなかったことです。その繁殖力ゆえ、ある意味疎まれていた竹に、これほど大きな役割が与えられていたことを誰が気づいていたでしょうか。

「人が最も痛み苦しむその時に、そっと傷に寄り添い、ただ快癒を祈る一枚のガーゼ」

TAKEFUが目指す究極の目標、歩むべき道が明確に見えた瞬間でした。

 ● 医療・介護の場にこそ、農薬不要の竹の力を
 

現在、医療現場で主として使用されているガーゼは綿です。綿は衣料品を初めとし、私たちの生活の中で最も身近な繊維です。しかし、聞くところによると全世界の農薬使用量の多くは綿の栽培に使用されているといいます。ショッキングな話です。果たして消耗品であるガーゼに、それだけの環境負荷を強いる必要があるのでしょうか?

答えは否です。

私たちは、綿はすべて無農薬で栽培されるオーガニックコットンであってほしいと考えます。しかしながら大変コストのかかるオーガニックコットンでは、消耗品となるガーゼや不織布を安価に供給し続けることが不可能であることも事実です。

だからこそ竹を活用するべきなのです。竹は上手に管理し、活用してあげることによって、永遠に枯渇しない資源となります。私たちは、原料の竹を育成し、生産の効率化を実現することで、自然環境を汚染することなく、さらに労働者を搾取することなく、永続的に安全で安心、さらに安価な衛生材料を供給することが可能であると考えています。

 ● ついに医療ガーゼ登録へ

そして2018年1月19日、ついに厚生労働省所管の独立行政法人である医薬品医療機器総合機構(PMDA)にて医療ガーゼに登録されました。

2001年10月2日の抗菌力の発見から実に5953日目の快挙でした。

約6000日の間、一途に、医療ガーゼを目指し、肌に触れた瞬間の感動を皆さんに感じていただきたくて、TAKEFUの製品開発を行ってまいりました。1997年2月にナファ生活研究所を設立して20年、ようやくスタートラインに立てたというのが実感です。

日本の医療ガーゼ産業の復活、そして世界の痛み苦しむ生きとし生けるものの為にこのガーゼをお届けしていくことが、これからの私の人生の大いなるミッションとなります。

2017年の大阪府寝屋川市にあるアトピー性皮膚炎の専門クリニックとの出会い、そして、そこでの実績も大きな自信となり、2018年の12月から始まっている著名な病院に於ける臨床テストでも目覚ましい結果が得られつつあります。